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AKIRA NANJO
南條 明

生命百景色 写真家

1973年生まれのフォトグラファー   広島県尾道市出身

 自然と生物への憧れを幼少期より抱き、いつも図鑑を眺めては思いを馳せていました。それと同様に日本を飛び出して世界を見てみたいという夢を抱いていました。18歳から和太鼓の演奏家として世界25カ国を周遊しながら通算1500回の公演活動をし、さまざまな民族の垣根を超えて音楽と通じて時間を過ごしました。38歳を迎えた頃、自然への思いを呼び覚まし心機一転、沖縄へ移住をし自然や生物の素晴らしさを伝えるため、ダイビングインストラクターとして活動。2年前、サンゴの産卵やマンタの撮影をしたいきっかけで石垣島に移住し、現在まで生物の生命(いのち)の大切さを伝えるべく、その光景の撮影をし写真家としての活動を続けています。

 

2022年夏、私の活動に大きな転機になる出来事が起きました。

7月〜8月石垣島周辺の海で異常な高水温が長期間続き、この環境の急激な変化にさらされ続けたサンゴは、猛烈な勢いで白化をして、その光景を激変させていました。その状況に私は為すすべがなく、ただただシャッターを切り続けていました。今まで観た事がない光景を目の当たりにした私は失われていく生命に心を打ち砕かれていきました。この光景に直面した私は正直なところ、サンゴの白化を公表すべきかどうかとても悩みました。また、この環境の悪化を前にして果たして私は何を伝えていけば良いのだろうか?という自身に対して疑問となりました。

 

なかなか解決策を見出せない日々が続いていた時、海洋生物の素晴らしさを伝え続ける写真家の方、次世代の子供達に体験型のプログラムでこの島の海洋環境を伝え続けている地域団体、サンゴや海洋研究の教授の方々、多様な職種の専門家、博士号を目指す学生達など、年々衰退していく海洋環境の改善を願って長年にわたり調査や研究を継続されている多くの方々に出会いました。お話をさせていただく中で、私は自然に対してある一点での変化に動揺するのではなく、その変化を客観的にとらえながら長期的にその動向を見守る事の重要性に気付かされました。

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豊かなサンゴ海が万年引き継がれますように

近年の石垣島周辺のサンゴの白化は水温上昇や水質の悪化に加え、赤土の流出、観光の島であることなど、さまざまな要因が影響していると思われます。地球的規模では今世紀中には世界のサンゴ礁の海が失われてしまうという危機的状況が続いています。さらに海洋プラスチックごみの問題は、海洋生物にとって由々しき状況となっています。

 

刻々と変化していく地球環境の中で自然はどのように変化をしていくのか。私たち人間がどのように関わっていくかがとても大切です。生命(いのち)は太古の海から生まれ今日の繁栄につながっていて、何千年も継承されてきた自然と人間の共生。私たちが自然から何を継承しその豊かさを、いかに創造性を持ちながら未来の世界に引き継ぐ事が出来るかが非常に重要だと考えてます。

 

私はこれからも写真家として自然を通じて絶え間なく引き継がれていく生命の景色を撮影し、国、地域、人種、民族などの垣根を越えて、多くの方々に自然環境に思いやりを感じていただけるような映像を伝え続けたい。そして2022年の夏、私が暮らす石垣島周辺の海域で繰り返し起きたサンゴの白化から、この海がどのように再生をしていくかを撮影し続けて、豊かなサンゴの海景色に回復してくれる事を願いながら、サンゴの今を伝えていきます。

 

現在の海洋環境を多くの方に知っていただきたいと切に願っています。

古来より私たち日本人は、海洋に関わり生活を続けてきました。

今も私たちの生活と海はつながっています。日常のなかで海への少しずつの思いやりからこの海洋環境を改善していけると私は信じています。

2022年12月

生命百景色 写真家 南條 明

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AKINA NANJO
Big Nature's photographer

My name is Akira Nanjo. I am Nature's photographer who lives in Okinawa Japan. The environment of Okinawa fascinates me, one so blessed by both sea and nature that it demands to be shared with the world.

Since I was a boy I have been in love with nature. I vividly remember pouring over the World Picture Book thinking about the different countries I could visit when I got older.

In 1992 I joined the Taiko Arts Group (KODO) and visited 24 countries in 12 years traveling around the world to connect with people through music. When I visited Miyako island, Okinawa, Japan, in 1997, I was captivated by the rich colors of the coral that spread out under the sea as if I were looking through a painter's palette. Later, when I dived in Sado island, Japan, for the first time, I felt that my body was flying in an endless transparent expanse slowly blending into the blue of the ocean. It was a turning point for me, afterwards I was determined to start diving in earnest.

I moved to Okinawa Japan to get my instructor’s qualification and to study underwater photography. After I got the certification, Istarted working for a diving shop as an underwater guide. I gave lectures on diving and sold cameras. Throughout these activities, I told people how wonderful underwater photography is.

While I was an instructor there for eight years, I was able to dive and take photos of wonderful underwater creatures in The Kerama Islands (Okinawa), Lembe (Indonesia), Bohol, Bali Kasag (Philippines), Simiran (Thailand), and North Male Atoll (Maldives). Those were really happy days for me.

From the beginning of my journey, I have gained experience in using a single- lens reflex camera, wide, macro, semi-water surface, and movie shooting. Currently, I use the OM SYSTEM OM-1 as my main camera, with the M.Z.D ED 8mm F1.8 Fisheye PRO for wide, and the M.Z.D ED 60mm F2.8 Macro lens for macro. I also shoot macros and movies with the underwater light RGBlue SYSTEM 02,03. Whenever I shoot, I try to express the rich colors, expressions, and movements of the sea animals while taking care to maintain the beauty of the blue ocean.

In 2021, I started working as a freelance underwater

photographer to seek more encounters in the world's oceans. I want to tell more people about the beauty of the underwater world and the joy of photography. My goal is to pursue this passion in a way that brings attention to the blessings the ocean has for us, and to inspire others to admire and protect its beauty for themselves and the next generation.

 

December 2022 AKIRA NANJO

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